お通じは腸の通信簿

お通じは腸の通信簿

2013年10月29日(火)5:43 PM
 食中毒というと夏だけでなく、冬のノロウイルスも怖いですよね。
 こういう時はどうして下痢になるのかご存知ですか?体にとって貴重な水分を犠牲にしてでも、食中毒の元になる菌やウイルスを体から早く出すために下痢になるのです。腸って優秀だと思いませんか?こういう理由があるので、下痢は無闇に止めてはいけないのです。
 でも体を守るためではない下痢や便秘はすぐ治したいですね。
 まずは便がどういうものかご紹介しましょう。
 
 70~80%が水分で、残りは腸粘膜がはがれたもの(皮膚でいうところの垢ですね)・腸内細菌・食べてから2~3日後の食べ物のカスがそれぞれ1/3ずつ占めます。
 便の形ブリストルスケールという国際分類が分かりやすいです。水分量や腸にいた時間が推察できるので、このスケールで上手に伝えることができると診断にとても役立ちます。おきらくでは便に異常を感じる方の場合、もう少し工夫したものを使うこともあります。
 は胆汁と腸の酸性度により白や緑や黄~黒色などになり、胃腸や肛門などに出血があると胃に近いほど黒く、肛門に近いほど鮮やかな赤い血の色がつきます。便は腸内がビフィズス菌で弱酸性になると黄色に、お肉を多く食べたり腐敗物質が多くなるとアルカリ性になるため黒色になります。佃煮のノリのような黒色便は胃潰瘍などから出血している可能性があるので、即病院に行きましょう。
 臭いは腸内の腐敗度で決まります。
 は植物性の食品を多く摂ると増えると言われており、日本人の平均は150~200g位でバナナの大きさです。水分量が変わる、例えば便秘だと約35g(ゴルフボール1個)、下痢だと200ml(牛乳ビン1本)以上と言われています。
 そして大切なのは回数と感覚です。1日に何回もあっても、3日に1回だけでも異常ではないこともあります。逆に1日1回のお通じが必ずあったとしても、便が残っているような感じがあったら正常とは言えません。
さらトイレ 理想は①形と量はバナナ1~2本で、②黄色くて、③臭いはなく、④毎朝トイレにいったらするっとスッキリ出る、です。どうですか?全て合格しましたか?あくまでも理想です。
 
 ちょっと長くなってしまったので、お通じに関してあと2つほど。
 1つ目は、トイレの後は手洗いが大切ということ。特に伝染性の下痢の場合はトイレからの感染手からの感染を防ぎましょう。
 2つ目は、お通じ(便、うんこ)は腸の調子が分かる大切な指標です。自律神経の調子も、食事の内容も、腸内細菌の調子も分かったり、病気を発見するきっかけにもなります。体の中の状態を教えてくれるものを見ずに流すのはもったいないです!毎回しっかり観察しましょう。
 病気によっては便秘を無くすことが大切な場合もあるので、病院で聞かれることもあります。
 おきらくでは、消化器系の調子と東洋医学的な状態を知るために必ず質問させてもらいます。
 便や尿に関してはまだまだありますが、最後に困った時のツボ療法を少しご紹介します。
 下痢にも便秘にも効くのが「合谷(ごうこく)」です。腸が正常に動くように促すツボで、養生にはピッタリです。
 緊張のあまり下痢!という時は手の「下痢点」への刺激を試してみてください。中指と薬指の手の甲の骨の間にあります。
 食中毒の下痢は出すことが大切なのでスポーツドリンクを飲んで脱水しないように備えつつ、「裏内庭」にお灸してみてください。足の裏で人差し指のつけね付近にあります。熱いと感じるまで据え続けると、出るべきものは早く出るので治りも早いです。
 便秘には色々なタイプがありますが「神門」の指圧やお灸がお勧めです。手のひら側の手首の皺の上で、小指の延長線上にあります。
 お近くの鍼灸院なら、その人にあったツボを紹介できます。薬に頼る前に是非、試してみてください。
 


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