寝ている間のこと いびき、歯ぎしり

寝ている間のこと いびき、歯ぎしり

2014年07月22日(火)8:13 AM
 体が暑さに慣れてきても、夜は特に寝苦しいですね。汗を上手にかけていても、これから迎える夏の暑さは堪えます。
 夏は睡眠時間が短くても大丈夫な季節ですが、もし、熟睡感がなかったり日中の眠気が続くなら、いい睡眠がとれていない可能性があります。
 
 いい睡眠がとれない病気は数多くありますが、その中の睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、自覚症状と検査から診断されます。でも、SASと診断されなくても、寝ている間のいびきなどで睡眠の質が落ちている方も多いです。
 例えばいびきですが、これは喉が塞がって息苦しい時にでる音です。酸欠になると、少し覚醒していびきが止まります。酸素が少なく、睡眠も浅いため、体の修復も進みません。
 SASの70%は歯ぎしりがあるといいますが、歯ぎしりを防止するためのマウスピースが喉を狭め、無呼吸になることもあります。歯ぎしりといっても、大人は顎関節症との関係が深いですが、赤ちゃんや子供は顎や歯のバランス調節のためにするので気にする必要はないようです。
 
 睡眠は、生きるために絶対不可欠な時間です。1日働いた脳や体を元に戻し、新しい記憶を定着させるなどの新たな取り組みをするため、起きている時と違う神経回路が働き、睡眠時限定のホルモンが出たりします。ちなみに限定って言葉、すごくお得な感じがしませんか?(笑)
 睡眠中に酸素が足りないと、起きた記憶や自覚はなくても脳が呼吸のために体を少し覚醒させます。車に例えると、睡眠は定期点検や修理の時間です。働くことで緩んだり壊れた部品を、毎日8時間の修理時間で直します。でも、酸素という材料を買い足しに何度も中断すると、修理の時間が足りません。
 いびきがひどいと年齢より老けて見えるけれど、SASの治療をすると写真でハッキリ分かるほど若がえったというアメリカの研究があります。他にも、高血圧や糖尿病、脳卒中に狭心症などのリスクがあがるとか、いかに睡眠が大切か枚挙にいとまがありません。
 
 では、睡眠の質を落とさないためには?例えばSASは、ダイエットやマウスピース、シーパップ(CPAP)という睡眠時に空気ポンプをつける治療がありますが、その1つに体位療法(側臥位)という方法もあります。
 一般的に仰向けはリラックスして眠れますが、立っている時より重力や血流で肺が狭くなり、重力で舌が下がって喉を塞ぎ、枕が高いと更に喉が狭くなるため、呼吸しにくくなります。医学的な根拠は少ないですが、いびきをかく方は仰向けよりも横向き寝がいいと言われています。
 ただ、歯ぎしりや顎関節症では横向き寝は禁じられています。でも、息がしやすいメリットもあるので、試す価値はあると思います。スッキリ起きられるか、日中の眠気がないか、おせんべいなどの硬いものが噛めるかなどを目安にしてみてください。
 抱き枕があると、横向きに寝やすくなります。バスタオルやシーツを丸めて、ゴムで縛れば立派な抱き枕です(笑)下になる腕と足が痺れないよう、くびれを作れば更に使いやすいです!自分の経験だと、1週間くらいで抱き枕に慣れました。
 抱き枕を使いたくない場合は、横向きに適した枕を使いましょう。寝た時の首の左右前後のカーブが、立っている時と同じ型になる高さの枕がいいです。フェイスタオルやバスタオルを丸めれば、簡単に自分にぴったりの枕ができます。首の骨は、左右はまっすぐ、前後はCの字を描くように意識してください。
 また、睡眠中は鼻呼吸が大切です。眠っている時は特に、口より鼻の方が安定した呼吸ができるのです。
 
 動物を見ると、馬は立ったまま、イルカなどは片目ずつ、ライオンはうつ伏せに寝ます。寝ていていも隙を見せたら狩られる動物はすぐ動ける姿勢で、狩られる心配のないライオンでもうつ伏せです。
 ただし、ペットや動物園など安全な場所だと安心できるので、仰向けで寝ることもあります。
HakoneChokokuNoMori 寝る姿勢は人それぞれですが、よい睡眠はよい1日に欠かせない大切なものだし、1日の約1/3を占める時間なので、ちょっとでも改善できるといいですね!もちろん、はりきゅう(鍼灸)もお手伝いできる分野です!
 

 

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この記事を書いた人

Koji Wakio(おきらく)
おきらく極楽にて鍼灸治療中。申年。
武術の稽古と豚カツが大好きです。
 
Satomi Nakano(極楽)
おきらく極楽にて鍼灸治療中。巳年。
神社と美味しいものが大好きです。


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