仕事と体

仕事と体

2019年04月16日(火)5:32 AM
 おきらくが小・中学生の頃、アフタヌーンショーという番組を良く見ていました。その番組で「指圧の心は母心、押せば命の泉湧く。アーハッハッハ!!」と豪快に笑う指圧の浪越徳次郎先生の親指が凄く大きくかつ信じられない程反り返っているのを見てびっくりしたものです。
 その頃親爺が持っていた本に、浪越先生がマリリン・モンローが来日した際に彼女の胃痙攣を指圧で治療したという記事が載っていました。でもおきらく少年の目はモンローの悩ましげな写真に釘付けになり、その後も親の目を盗んではちょくちょくその写真を見ていました。
 そんなおきらくの右手の親指は結構反っていますが、左手の親指は反ってません。小さい頃から御袋の肩を揉んでいたのに左右の指の形に差があるのは、これは生まれついての差なのかもしれません。
 
 生まれつきのものとは逆に、長年同じ仕事をする事で姿勢や体形が変わってくることがあります。
 合気道の後輩に、構えに何となく違和感のある人がいました。よくよく見てみると、腰のところでほんのわずかですが曲がっているのです。鍼灸師をしている人だったので、治療用ベッドの上にかぶさるような姿勢を毎日していたのかもしれません。
 あるいは自治会で知り合ったツーバイフォー建築専門の大工さん。肩の調子が悪いがどこに行っても姿勢が悪いと言われて困っている、と相談を受けた事があります。ひたすら角材を釘で打ち付ける作業をしているとのことで、右の肩甲骨が後ろに飛び出してしまっていました。
 
 長期間同じ動きを繰り返していると、体の使い方が段々と効率化し、より精度が高く、より無駄のない動きになり、意識しないでもできるようになります。これは自転車の練習も同じなので誰でもが経験していることです。

私の仕事

 けれどこれが仕事となると、その日のうちに疲れを十分に回復できないまま、疲れが溜まってしまわないか心配です。
 例えば上の大工さん。角材に釘を打ち込むには適した体になっているかもしれませんが、右の肩甲骨がでっぱっているので、湯船に浸かるといつも体が左側に捻じれてしまっていたそうです。
 全身をバランス良く使う仕事ならあまり気にすることはないですが、そうでない場合は毎日寝る前に体の歪みをリセットし、しっかりと休息して疲労を回復させる必要があります。
 一方、体を使わない仕事の筆頭にデスクワークがありますが、それは逆に座り続けるという作業を継続していることになるので、大抵の方の体はこわばっています。特に一日中PC作業をされている方は首・肩・胸・腕・背中・腰・脚とほぼ全身が凝っていることが多く、またストレートネックや猫背になりがちです。デスクワーク主体の方も、やはり寝る前に体をほぐしてあげる必要があります。
 歪みをリセットしたり、体をほぐす方法が分からない場合は、お近くのはりきゅう(鍼灸)院におきらくにお問い合わせください。色々とお手伝いできると思います。
 おきらく極楽では、それぞれの方の症状に合わせた体操などをお伝えしていますので、毎日のケアに役立てて頂ければと思います。
 
 ところで、ペンフィールド博士のホムンクルスというのをご覧になったことはあるでしょうか?ヒトの体の各部位は大脳皮質のどの部分が担当領域かを調べ、担当領域の面積に比例するように体の部位の大きさを表現したものです。
 指、顔、舌が凄く大きく描かれているのは、これらの部位の運動や感覚の処理に脳のどれだけ多くの部位が関係しているかの表れです。中でも注目したいのは親指です。ヒトはこの親指あってこそ色々なものを作って来ることができましたし、鍼灸師は鍼を打ったり、艾を捻ることができます。その器用な親指はホムンクルスの中でもひと際大きく描かれています。冒頭の浪越先生のホムンクルスだと親指は一体どれほどの大きさのだろうと、つい想像してしまいました。
 

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テレビゲームもほどほどに~腱鞘炎~

 
 

 

この記事を書いた人

Koji Wakio(おきらく)
おきらく極楽にて鍼灸治療中。丙申年。
武術の稽古と豚カツが大好きです。
Satomi Nakano(極楽)
おきらく極楽にて鍼灸治療中。乙巳年。
神社と美味しいものが大好きです。
 

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