あなたの腰痛は「冷え」かも
随分暖かくなりました。
3月26日~3月30日は二十四節気七十二候の11項目に当たる「桜始開(さくらはじめてひらく)」ですから、暖かくなって当然です。
桜が綻ぶ(ほころぶ)ように、冬の間は寒さで硬直していた筋肉が、気温の上昇に伴って緩んできます。
が、ここが注意のしどころ。腰の痛みは突然やってくることがあります。
痛みが出ると、その直前にやっていた何かが原因だと思ってしまう事は良く有ります。けれど、実際には小さな疲労が蓄積して強い痛みを引き起こしている事が多いのです。
歯磨きをしていたら突然ギックリと・・・などということをよく聞きますが、ギックリ腰の原因は歯磨きではなく、それまでの小さな疲労の積み重ねが原因であって、歯磨きは単なる引き金にすぎません。
今回は腰殿部の痛みについて、おきらく極楽のバイブルである「積聚治療(小林詔司著、医道の日本社刊)」を引用しながら書いてみます。
ギックリ腰を含め腰殿部の症状は、痛み、痺れ、冷え、熱、前屈後屈などの運動傷害となります。
腰の痛みは、押すと痛い(圧痛)場所や、押さなくても痛い(自覚痛)場所があり、ほとんどの方に動かすと痛い(動作痛)場所があります。ひどくなるとじっとしていても痛み(安静時痛)があったり、寝ていても痛く(夜間痛)なります。
痛みの部位は志室という経穴(第二・三腰椎棘突起間で、脊柱起立筋の外縁)の場合や、腰殿部の筋肉、骨(腰椎、仙骨、尾骨など)にでることが多いのですが、根本的な原因は共通しています。
「積聚治療」では腰殿部の病の原因を、大きく2つとしています。
1つは腰殿部以外の病からくる症状、もう1つは外傷を原因とみます。
外傷に関しては、またいつか稿を新たに書いてみたいと思います。
腰殿部以外の病というのは、消化器疾患をはじめとして、婦人科疾患、泌尿器疾患、精神科疾患などの事で、ほとんどの病が高じると腰殿部に異常が生じます。
こうした疾患の背景にはいずれの場合も身体の冷え、別の言い方をするなら、精気が虚している、あるいは生命力(治る力)が低下している、ということがあります。
身体の冷えによって色々な臓器に問題が少しずつ蓄積し、それが腰殿部の症状として現れるのですから、おきらく極楽でははりときゅうによって冷えを除去するということに専念します。
人によっては、治療前は真っ白で冷たくて仕方なかった足の裏が、治療後はピンク色になりホカホカと暖かくなる程変化します。
このくらいに変化があれば、身体の表面の痛みも軽減するし、自覚していない内臓の問題も良くなっていく事でしょう。
では、道端で突然ギックリ腰になってしまった時はどうすれば良いでしょうか?
疲労が積もってギックリ腰になった訳ですから、普通なら数日は安静に休んで頂きたいところです。けれども、仕事上の約束があってどうしてもはずせないという場合もあるでしょう。
おきらく極楽の近くで発症したのであればそれは大変に運が良いと言えるのですが、幸運に期待し過ぎてもいけません。
ここはご自分でも何とかなる体操を。
壁でも電柱でもなんでも構わないので、身体を安定できるところにつかまってください。周りに何もなければ、そのままの姿勢で構いません。
左右どちらか動かせる足首を最低でも10分程度は回してください。回し方は、学校の体育でプールに入る前に、足の爪先を地面に付けて足首回しをやったと思いますがあれと同じです。
ゆっくりで構いません。また大きく動かす必要もありません。最初は腰にひびいて痛いかもしれません。なので痛みの出ない範囲で構いません。出来れば20回とか30回ほど回したら、今度は逆回しにしましょう。
痛みが薄らいで来たら、動きを少しずつ大きくしていきましょう。
分かりにくいですか?次の動画を参考にしてください。
痛みがやわらいでも、決して完治した訳ではありません。
病を治すにはなによりも休息が大事です。仕事が終わったら、直ぐにお家に帰って骨休めしてください。
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