2020年12月08日(火)5:41 AM
おきらくのお勤め時代、毎年の健康診断結果で胃部に影があり、胃カメラ検査を受けなさいと言われていました。お腹の調子が悪いと思った事が全くなかったので、何年間も無視していました。ある年あまりしつこく言われるので、胃カメラ検査を受けたら胃炎と胃潰瘍の両方ありました。「仕事上のストレスでしょうか?」とドクターに問うと「ピロリ菌です。検査しましょう。」という事になり、しっかりピロリ菌にやられている事が分かりました。確か40歳台の頃の事です。
折りたたむ
日本癌学会によると、このピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)に感染すると数週から数カ月で慢性胃炎(ピロリ感染胃炎)を発症します。この段階では症状がない場合もあるそうです。この状態が進むと萎縮性胃炎、分化型胃がんへと進行します。萎縮性胃炎にならず、胃・十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、機能性ディスペプシア、胃ポリープ、特発性血小板減少性紫斑病、未分化型のスキルス胃がんが発症する事もあります。
感染経路は明らかではありませんが、
感染するのは主に乳幼児です。生水(主に井戸水)や食物と一緒に摂取してしまう事が大半だそうです。現在は井戸水を使う事は少ないですが、ピロリ菌に感染している大人から幼児への食べ物の口移しなどは危険です。
日本人の胃がんの98%はピロリ菌の感染が原因だという事です。ピロリ菌感染していなければ、年間10数万件胃がんと診断される数がほぼ0になるわけですから、すごい効果だと思います。健康診断などのオプションにピロリ菌検査があれば一度受診しては如何でしょうか?
おきらくが受けた検査は「尿素呼気試験」という凄く楽な検査です。ピロリ菌は強酸である胃酸で覆われている胃粘膜で生きるために、胃酸を中和する機能を持っています。炭素の同位体と結合した尿素を飲み、ピロリ菌がいれば尿素がアンモニアと二酸化炭素に分解されます。二酸化炭素は速やかに吸収され肺から排出されます。その呼気に炭素の同位体が多く含まれていればピロリ菌に感染しているという事になります。
ピロリ菌がいる事がはっきりしたら、除菌剤を服用し、一定期間後に再検査して除菌完了。この時点で除菌出来ていない場合は二次除菌を行います。おきらくは1回目で除菌完了となりました。
ちなみに、本年9月に大阪大学微生物研究所から
ピロリ菌が胃炎を引き起こすメカニズムを解明したとの発表がありました。近い内に除菌以外の治療法が出て来るかもしれないですね。
国立がん研究センターの
科学的根拠に基づくがん予防によれば、禁煙、節酒、適正体重、食生活、運動の5つの健康習慣でがんになるリスクが半減するそうです。やはり十分に休息を取り、旬の味覚を楽しみ、程々に体を動かす養生の基本が大事だという事です。
美味しいご飯だよ
養生って言われても何をして良いか分からないという方は、お手伝いさせて頂ける事もあると思いますので、是非お近くのはりきゅう(鍼灸)院におきらくにお問い合わせ下さい。
ところで、来る12月11日は
胃腸の日だそうです。「胃にいい」との語呂合わせで、日本OTC医薬品協会が登録したそうです。師走にこの1年間を振り返って時に、大切な胃腸に負担を掛けて来た事を思い、労りの気持ちを持って欲しいという期待を込めての事だそうです。外飲み、内飲み、いずれにしても程々が良いと思います。
折りたたむ
この記事に関連するブログ
腰痛・背部痛と胃・十二指腸潰瘍
この記事を書いた人
Koji Wakio(
おきらく)
おきらく極楽にて
鍼灸治療中。丙申年。
武術の稽古と豚カツが大好きです。
Satomi Nakano(
極楽)
おきらく極楽にて
鍼灸治療中。乙巳年。
神社と美味しいものが大好きです。
予約ご希望のお客様はこちら
静岡県三島市大宮町2-16-19
055-943-5547(ゼロゴーゴー キューシテミルナラ ココヨンナ)
« あらためてNo pain,no gain | 手足が冷たい »