平均寿命と健康寿命
ところで、10月27日(日)に名古屋で開催された全日本鍼灸学会 第31回中部支部学術集会に出席してきました。
特別講演はどれもみな面白く、大変興味深い内容でした。
特に佐藤伸彦医師が運営されているナラティブホームでの看取り現場のシーンには三年前に他界した母の姿が重なり、思わずジンワリときてしまいました。
「人生の最終章を、あたたかい家族のような病院で。」をモットーとするナラティブホーム。そこで人生の最終ステージを迎えた方達がご家族や医療スタッフに温かく囲まれて笑っておられたのがとても素敵でした。
その中で平均寿命と健康寿命の話が少し出ました。大切なことなので、戻ってから復習してみました。
厚労省に少し古い(平成22年)のですが、全国平均のデータがあります。
数字だけひろってみると、
男性:平均寿命=79.55、健康寿命=70.42、差= 9.13年
女性:平均寿命=86.30、健康寿命=73.62、差=12.68年
とあります。そして、健康寿命は「日常生活に制限のない期間」と定義されています。
つまり「日常生活に何らかの制限を持ったまま10年前後を過ごさなければならない」ということになります。
そうした状況を受けて厚労省では「国民の健康寿命が延伸する社会」に向けた予防・健康管理に関する取組を推進しようとしています。2025年に向けた目標ですので、取り組みの成果が出てくるのはまだ先の事だと思います。
でも10年前後も不自由な日常を送らなければならないとしたら・・・。あるいはもっと深刻に「寝たきり」や「認知症」の心配もあります。
それを考えると健康のことは他人任せにはできません。今からでも適度な運動と健康な食事、そして少しでも体調に不安を感じたら病気にならないうちに(未病のうちに)手当てをしましょう。
おきらく極楽はピンピンコロリを目標に、お一人お一人にあわせた治療法(はり、きゅう、マッサージ、整体術、操体法、自律訓練法など)で健康寿命を延ばすお手伝いをさせて頂きます。
最後にもう一つ。佐藤伸彦先生のプレゼンテーションの中で使われていた中島みゆきさんの「糸」も印象的でした。
なんて素敵な歌詞でしょう。患者様との出会い、そして患者様の人生そのものをかけがえのない「物語」として大切にし、それを中心に医療を組み立てるというナラティブホームを運営する佐藤先生のご講演に実にふさわしい名曲だと思いました。
「糸」 中島みゆき 作詩・作曲
(前略)
縦の糸はあなた 横の糸は私
逢うべき糸に 出逢えることを
人は仕合わせと呼びます
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