糖尿病は治る? ~DM物語4 尿糖と新薬~

糖尿病は治る? ~DM物語4 尿糖と新薬~

2014年04月15日(火)9:19 AM
 新しい環境には慣れましたか?
 疲れると甘いものがほしくなりますが、精神的な疲れに甘いものはかえって疲れが酷くなります。甘いものは体を冷やし、ビタミンを消費するからです。糖尿病も怖いので、量や回数はほどほどに気をつけたいところです。
 
 糖尿病には2種類あります。簡単に分けると、インシュリンを作れない1型糖尿病と、インシュリンの効きが悪くなる2型糖尿病です。インシュリンは、細胞が栄養(血糖)を取り込む時に必要なものです。糖尿病は、細胞に入れなかった血糖が血管を傷つけ、細胞が栄養失調になる病気です。
 生活習慣と関係が深い2型糖尿病は、予備軍と言われた段階で運動や食事を改善すれば発症しないですむかもしれませんが、糖尿病と診断されたら1型と同じく一生治ることはありません。糖尿病は生涯治らない、それが今までの常識でした。
 
 「SGLT2阻害薬」という、尿糖を出す薬が発売されました。健康診断で「おしっこから糖(尿糖)がでています」は良くない結果ですが、それを推進する薬です。本来、糖はとても大切な栄養なので尿に混じりませんが、血糖が多すぎると尿にあふれます。
 血管をお財布に例えると、血糖はお財布のお金です。お財布に入りきらないお金は貯金をしますが、その仕組みが上手くいかないとチャリンチャリンと落ちます。この、落ちたお金が尿糖です、もったいないです(笑)
 正常な血糖値110mg/dL位に対し、160mg/dL以上で尿糖が出始めると言われています。実は、お金と違って血糖は、余りを出してしまう方が体の負担が少なくなるのです。
 
 血糖値を下げるのは、すい臓のβ細胞からでるインシュリンです。血糖値が高いと、すい臓はインシュリンを出し続けるので疲れ果てます。
 糖尿病の予備軍でも、インシュリンの機能は5~8割程度に減っていると言われています。血糖値を下げれば、すい臓の負担を減らしてインシュリンの能力を戻せるかもしれないそうです。
 この「β細胞保護療法」により、糖尿病が治る可能性があるそうです(生涯、血糖コントロールが必要なので治るというのは変ですが。)。
 「SGLT2阻害薬」は、尿糖を出すことで血糖値を下げるという、糖尿病を治す可能性を秘めた薬です。
 
oyatsu また、糖尿病のワクチンや、ES細胞による治療なども開発されそうです。40歳以上が10人いれば1人は糖尿病といわれているので、治療の選択が増えていくのはありがたいことです。
 糖尿病の怖さは、手足が痺れ、目が見えなくなり、透析になり、心筋梗塞や脳梗塞になることです。心臓が止まると困るのは直感的に分かりますが、心臓は体に血液を巡らせるために働いているので、その血液がうまく働けなくなる糖尿病も怖い病気なのです。
 糖尿病は、予備軍のうちに生活習慣を改めれば防げる可能性が高い病気です。食事、運動、睡眠に気をつけて、毎日を健康に過ごしてほしいと思います。
 意外かもしれませんが、このような場合も東洋医学はお役に立つことができます。お体に関するどんなことでも、お気軽にお近くの治療院にお問い合わせください。
 

 

この記事を書いた人

Koji Wakio(おきらく)
おきらく極楽にて鍼灸治療中。申年。
武術の稽古と豚カツが大好きです。
Satomi Nakano(極楽)
おきらく極楽にて鍼灸治療中。巳年。
神社と美味しいものが大好きです。


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