雨の日と不調と耳鳴り
晴れた日に庭先で遊ぶ鳥も、雨の日は用事が済んだらさっと帰ります。自分だけでなく周りの人も、気分や体調が天気で変った経験もあります。それはきっと、人間が約37兆個の細胞からできているからです。
細胞は薄い細胞膜に包まれています。天気で変わる気圧は、1つの細胞にほとんど影響が無くても、37兆個分を合算すると?見た目で縮んだり膨らんだりしませんが、風が頬を撫でても感じるように、体は常に全身を整えるために小さな違いをしっかり感じ取ります。しかも体の常在菌、例えば腸内細菌だけでも100兆個います。これだけの数がいたら、何か影響を受けそうですよね?
体力に余裕がないと雨の影響を受けて古傷がいたんだり、頭が痛くなったり、アレルギーや喘息、リウマチ、歯の痛み、神経痛、むくみ、動悸など、三人三様の症状がでます。その中の一つに、耳鳴りがあります。
雨の前後に、耳鳴りがひどくなりませんか?3人に1人は耳鳴りがあると言われていますが、すぐ治る耳鳴りから、酷くなるもの、血管の音が聞こえる、リンパ浮腫、神経の炎症、脳の異常など、症状も原因も様々です。
東洋医学では、肝や腎が弱るためと考えられています。肝や腎といっても腎臓や肝臓のことではなく、体の特徴的な仕組み、現代風に言いかえると筋肉、関節、血管、リンパ、脳・神経系などに近いです。現代医学との違いの一つに、全身の生命力を高めることにより局所を治すという考え方があります。
おきらく極楽では、耳鳴りはこのツボという治療ではなく、はりきゅう(鍼灸)で全身の調子を整えることで症状が治まるのを促します。実際に、腰や膝の痛みで来られた方が、「そう言えば耳鳴りがなくなりました」とはよくあることです。また、突発性難聴やメニエール病などで病院の治療の傍ら、または薬剤などが効きにくいなどの理由で東洋医学を併用する方もいます。
慣れるしかないとあきらめていた耳鳴りが減ったと喜ぶ姿は、こちらまで嬉しくなります。
ところで、高い所で耳が塞がったり耳鳴りの経験はありますか?これは耳管で気圧の調整ができないからです。飛行機、特に着陸時に感じやすいです。
耳管に空気が通らないと、内耳と大気圧に差がでます。例えば、山から平地に行くと、体の中より外の気圧が高くなります。内耳の気圧を調整できないと、耳の奥が空気で押されて狭くなります。うっかり耳かきが奥に入るとけっこう痛いですが、耳の奥は気圧差でも痛くなります。
ちなみに飛行中の機内は約0.8気圧と雨の日よりずっと低い気圧のため、普段何ともなくても耳が塞がる感じがでることもあります。
余談ですが、耳管は内耳炎の原因にもなります。喉や鼻と繋がっているので、食べ物や唾液などが耳に逆流すると内耳炎の原因になります。
天気予報で高気圧といえば晴れ、低気圧といえば雨です。話を単純化するために、気圧と細胞と耳鳴りを関連付けましたが、天気の影響は気圧だけではありません。晴れの日は宇宙に少し近い上空の空気が地上に流れ、雨の日は逆になります。湿度も変わります。天気の何かが要素なのか、天気の変化が要素なのか、実は天気と体調の関係に科学的な根拠はないと言われています。
でも、実感として天気や季節の移ろいは、私達の体に影響を及ぼします。科学は多くの答えを見つけましたが、いまだに分からないことや課題にものぼらないものも多いです。雨空を見上げ、微妙にむくんだ細胞は実は満員電車に詰め込まれたパンダくんで、のんびりした口調で「押さないでよ~」って言っているのかもと夢想できたら、雨の日のだるさも少しは楽しめそうです(笑)
楽しい想像をしても目、耳、頭痛などが無くならない時は、耳回しをお勧めします。頬杖のような感じで中指と人差し指を耳の前後に置き、そっと前回し、後ろ回しをしてみてください。顔や頭の循環が良くなると、気持ちが少し晴れると思います。
あ、そうそう。耳管で気圧調整するためのトレーニングはこんな方法があるんですよ。
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おきらく極楽にて鍼灸治療中。申年。
武術の稽古と豚カツが大好きです。
おきらく極楽にて鍼灸治療中。巳年。
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