皮膚が作るサーカディアンリズム

2025年03月04日（火）6:19 AM

　以前のブログに、皮膚の聴覚や視覚の事を書きました。皮膚って、なんて凄い器官なのだろうと思ったのですが、まだ他にも重要な機能があるようです。

　皮膚はサーカディアンリズムの形成にも関係しているようです。

　非24時間睡眠覚醒症候群という症状があります。通常の生活をしているのに、睡眠・覚醒の周期が約25時間になってしまう障害です。
　24時間のリズムで生活できないのは、光で調整できないことが原因と言われていました。体の時計は、朝日を見てリズムをあわせていると思われていたからです。

　ところが、神戸大学の研究では皮膚にも光受容体があり、ヒトの皮膚線維芽細胞に対して青色の光を当てる事でサーカディアンリズムが生まれる事が分かりました。今後の研究で、視覚障害を持つ方の睡眠障害の治療につながるかもしれません。

　他にも、皮膚は凄い能力を持っています。
　指先には1平方ｃｍ辺り100以上の感覚点を持っています。要するに1mmよりも短い間隔で感覚点が並んでいるわけです。凄いですよね。でも、職人さんの世界では、その何十倍もの精度で加工する人もいるのです。例えば指先で3ミクロンまで感じ取る超職人さんもおられるのです。

　おきらくの知人に薬剤師がいます。その方は耳掻きの先端に乗る程度の粉薬をハカリを使わないでも正確に測れるのです。この方の感覚は皮膚感覚ではないかもしれないですが、スーパー職人さんの1人であることは間違いないです。

　ちょっと脱線しましたが、皮膚の素晴らしい機能は今後も色々発見されると思いますが、少なくとも皮膚を健康に保つことは養生の観点からも大切です。それには質の良い睡眠、地場の旬の食材を使った料理を腹八分に美味しく頂き、程々に体を動かすという、養生の三本柱の継続が大事です。