痛いの痛いの風に吹かれて飛んでいけ

痛いの痛いの風に吹かれて飛んでいけ

2017年04月25日(火)6:37 AM

また来年

 開花の遅れた桜も葉桜となり、ようやく春っぽい気候になったと思えば、何と暦の上ではもうすぐ立夏。夏に増える病気と言えば痛風があります。
 
 初めての方に必ずお伺いするのが、お薬。ある程度の年齢ですと、血圧を下げる薬、コレステロールを下げる薬、尿酸を下げる薬などを飲まれている方が多いです。
 食事と病気の関連は、今と昔の常識が違うことがあります。コレステロールに関しては、食事のコレステロール摂取量が血中コレステロール値を高くするとはいえないことが分かりました。そして、プリン体もです。
 
 20年程前の、ビールが大好きな後輩の話です。彼がある時、痛風発作に見舞われ七転八倒の痛みを体験しました。それ以来、飲み会の最初から日本酒を飲むようになりました。彼曰く「ビールはプリン体が多いので医者に禁止された」と(ええんか、それで?)。そして料理も、プリン体の多いものは避けていました。
 痛風は、血中の尿酸値が高くなると表れます。体内のプリン体代謝で尿酸ができますが、この濃度が高くなると高尿酸血症になります。血中の尿酸値が高くても何の症状もありませんが、ある濃度を超えると突然の激痛に見舞われます。特に足の親指に生じることが多く、これが風が吹いても痛いと言われる痛風です。
 実は尿酸値に関係するプリン体は、食事から摂取する量より体内でできる量の方が2倍多いので、食事やお酒に気をつけるだけでは十分な予防とはいえません。太るとプリン体の合成を促進してしまうし、インスリンが正常に働かないと尿酸を溜めこみやすくなるので、食事やお酒に加えて適度な運動も大切です。特にアルコールは、尿酸の産生を増やして排泄を抑えてしまうので、お酒の種類に関係なく大酒は避けるのが賢明です。
 
 痛風の痛みは数日で治まりますが、高尿酸血症が治るわけではありません。高尿酸血症は自覚症状がないのですが、放置すると痛風腎という腎臓疾患のリスクがあります。腎臓が悪くなると尿酸が排出されにくくなり、さらに尿酸濃度が高くなり突然の親指の痛み、そして人工透析に、ということがないよう、最初の痛みで病院に行きましょう。
 
 従来高尿酸血症になる方の多くは30~50歳代男性で、女性は滅多にならないとされてきましたが、近年では、若年化や女性患者の増加が傾向として見られるので気を付けたいです。
 
 ちなみにたくさん汗をかく夏は尿酸値が上がりやすいので、痛風が多くなります。夏祭りにビールとシャギリを楽しみたい方は、この日のために養生しましょう。食事を見直し、十分に体を動かし、たくさん汗をかくときは水分補給はしっかりと、です。
 
 養生の仕方が今一つピンとこない方は、お近くのはりきゅう(鍼灸)院におきらくにお問い合わせください。いろいろとお手伝いできると思います。
 

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この記事を書いた人

Koji Wakio(おきらく)
おきらく極楽にて鍼灸治療中。丙申年。
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Satomi Nakano(極楽)
おきらく極楽にて鍼灸治療中。乙巳年。
神社と美味しいものが大好きです。
 

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