デスクワークと腕の感覚異常や冷え
一月は行く、二月は逃げる、三月は去る、などと言いますが、あっという間に三月も半ば。
そして、今多くの方が年度末の忙しい時期の真っ最中ではないかと思います。
ようやく一日が終わったら頸がこってゴリゴリ音を立てているだけではなく、何となく前腕に変な感じや冷たい感じを覚えたことはないでしょうか?
「頸の痛み、肩こり、腕の痛みや痺れ」では胸郭出口症候群と身体の使い方についてでしたが、今回は胸郭出口症候群の原因の1つ、頸の筋肉のお話です。
頸は、脳のための神経や血管、脳に体の情報を伝える神経、脳から体に指令を出す神経の他に、腕に必要な神経(腕神経叢、交感神経)・血管(鎖骨下動脈・鎖骨下静脈)が通る、とても大事な場所です。また、頭を支え、大切な神経や血管を骨や筋肉で守っています。
今回の主人公は、その中の斜角筋という筋肉です。
まずはこの絵を見てください。胸鎖乳突筋は、耳の後ろから鎖骨の内側に向けて見える太い筋肉で、頸を左右に傾けたり、捻じったりする筋肉です。ゼーゼーと大きく呼吸するときにも使われます。斜角筋は、この胸鎖乳突筋の直ぐ後ろの筋肉です。胸鎖乳突筋と同じく、頸を左右に傾けたり、呼吸の時に使う筋肉です。
ここでのポイントは、デスクワークで下を向き続けたり、何かを頑張るあまり肩に力が入り続けると、凝り固まる筋肉だということと、この筋肉が腕の神経と血管の根元にあるということです。
正確な場所を知りたい方はココをクリックしてください。
ところで、この写真はおきらくの愛孫娘です。スーパーサイヤ人孫悟空と違い、筋肉がみえないので圧迫もされません。とても可愛いので、大人になった時に何と言われるか今は考えずに載せちゃいます(笑)。
話を元に戻すと、斜角筋が凝り固まることによっても、そこを通る神経や血管の通り道が塞がれてしまうので、腕に異常な感覚を覚えたり、冷たくなったりするのです。
「頸の痛み、肩こり、腕の痛みや痺れ」でも書いたように、 おきらく極楽では、どのような疾患でも、身体自身が持っている治る力を取り戻す治療として、はり(鍼)ときゅう(灸)による積聚治療が第一選択となります。
この基本治療だけで筋肉が緩み、血流が改善されるので、症状は大幅に改善します。
それでも改善しない場合は、マッサージや無痛整体でターゲットの筋肉を緩める訳ですが、今回も自宅でできる対策を書いてみたいと思います。
先ず筋肉を緩めます。例えば、左の筋肉を緩める時は左に頸を傾けてください。ストレッチとは逆の方向です。おきらく極楽では、硬くなった筋肉を緩めるのにストレッチ(すなわち伸展)ではなく、曲げる(たるませる)ことをお薦めしています。曲げると言っても筋肉を緊張させて曲げるのではなく、ただ脱力して頸を傾けるようにしてください。そうすると筋肉は緩んできます。曲げる時は両手をこすり合わせて温めた掌を頸の左横に当て、頭の重さを頸ではなく手で受け止めて上げてください。そうして左の掌を軽く前後に揺らします。
筋肉が緩んで硬い感じが無くなってきたら、今度はストレッチです。
これも無理矢理伸ばすのではなく、だら~っと頸を右に傾けます。
傾けた上で、頸を左右に捻じります。こうして色々な角度でストレッチすることで筋肉は柔軟性を取り戻します。
緩んだなと思ったら、深呼吸してみてください。
呼吸がずっと楽になっていると思います。頸のこりはどうでしょう?腕の感覚は?
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