尿路結石!まずは指圧で

尿路結石!まずは指圧で

2013年08月22日(木)9:15 AM
 朝晩は涼しくなってきましたね。昼間聞こえるせみの声も、なんだか少し寂しげに感じられるようになってきました。
 
 ところで皆さんは尿路結石を経験したことがありますか?日本人男性の10.6人に1人、女性の24.4人に1人が一生の間に1度はかかると言われています。
 発作を経験したことのある方なら分かると思いますが、突然くる七転八倒の痛さで、肩甲骨や恥骨まで響くような痛みに加えて冷汗や吐き気や嘔吐を伴うこともあります。
 この痛みの正体は、おしっこの道がふさがれることによって腎臓が腫れたり、尿管が痙攣するために起こります。腎臓も尿管も左右2つあるので、右が痛い方もいれば左の方もいます。
 
 腎臓と膀胱の位置関係は、腎臓が肋骨の一番下付近(お腹の上)にあり、膀胱は恥骨付近(お腹の下)になります。腎臓と膀胱は30cmほどの尿管で繋がっていて、腎臓でできた尿は尿管を通って膀胱に溜まり、尿道を通っておしっこが出ます。
 尿管というと水道管やホースをイメージしそうですが、もっと能動的に働きます。逆立ちしてても、寝転がっていても尿を膀胱に運べるよう、尿管は腸や胆管や卵管と同じように蠕動運動をしているのです。
 ここに石が詰まると疝痛と呼ばれる痙攣を伴うもの凄い痛みが出ます。痛みは数分おきに強くなったり弱くなったりを繰り返しながら、2~3時間続くことが多いと言われていますが、痛みが弱くなったとしても何日も尿管を塞いで腎臓にダメージを与えることもあります。
 腎臓にあれば腎結石、尿管に移動すれば尿管結石、膀胱なら膀胱結石、尿道なら尿道結石といい、あわせて尿路結石といいます。尿道まで来てしまえば痛みを感じる方はほとんどなく、痛みは腎臓から尿管でおこりるのが大多数です。
 
 尿路結石の痛みが出たら病院に行きましょう。高熱がでたら急いで病院に行ってください。痛みが無くなっても腎臓が腫れたままになっていることもあるため、腎臓を悪くしないためにも泌尿器科で経過を診てもらうことが大切です。
 
 尿路結石で苦しい時に意外とはりきゅう(鍼、針、灸)や指圧が効くのをご存知ですか?
 東洋医学では「志室」という背中にある腎のツボがあります。この付近の触って一番痛いところが痛みを和らげるツボになります。
 親指を腰に、残りの指はお腹にくるように腰をつかみます。マラソンを走りきった後につい腰に手をあてて息をするように、自然な感じで親指が腰にくるようにつかんでください。この時、親指が触れているところが「志室」です。
 解剖学的には第2腰椎棘突起下縁で後正中線外方4cm(脊柱起立筋外縁)付近です。
 石が動くと痛みも下に移動するといいますが、「志室」付近で一番痛いところを見つけたら親指やゴルフボールやタオルを丸めたものなので押します痛くない方も一緒に押します。押すととても痛いですが、押した後は痛みが和らぐため鎮痛剤がいらなかったり、鎮痛剤が効かない方にも効果があるそうです。押してすぐ効く方から、10分くらい押す必要がある方までいるそうです。
 
 腰をトントン叩いたり、縄跳びのように上下に跳ねるのがいいともいいますが、痛いさなかにするには結構つらいと思います。
 どんなに痛くてもおしっこで出すしかないので、お水は多めに摂りましょう。
 薬や点滴などをしても石が出なかった場合は、破石術という衝撃波で石を砕いたり手術で取り出したりすることになります。
 
 痛みが治まったら、次は石の回収です!これはとても大事です。結石のタイプが分かれば石を溶かす薬で予防できたり、生活習慣を気をつけたりできます。
 めでたく石が回収できたら、泌尿器科へ持っていきましょう。どのタイプの石か分析してくれます。
 
 石があると言われた方は、痛い思いをする前に尿が濃くならないように水分を多めに摂ったりツボの刺激をしてみるのがお勧めです。
 水分の摂り方は脱水にならない方法と一緒です。
三陰交(SP6)。足の太陰脾経の経穴です。 ツボは「志室」の指圧の他に三陰交」へのおきゅうもお勧めです。「三陰交」は内くるぶしより膝側にあるツボで、内くるぶしのトップに小指のはじを載せて人差し指までの指4本分膝側にあがったところを骨に沿って上下した時にへこみや痛みを感じたところです。
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