2021年03月23日(火)5:49 AM
菖蒲湯、柚子湯は有名ですが、これらは季節湯といって各月に四季折々の旬の植物を湯船に入れて、季節の変化を楽しむ日本固有の文化だそうです。もう1週間で終わりですが、3月は一体何湯でしょう?
蓬(よもぎ)湯です。おきらくは季節湯というのも知りませんでしたが、鍼灸師の癖に蓬湯が季節湯だと言う事も知らなかったです。鍼灸と蓬がどういう関係かというと、お灸で使う艾は蓬から作るんです。
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蓬は春に芽生えます。春の蓬は草餅に使うのに柔らかくて最適です。
蓬はお餅や風呂以外に、怪我をした時にも使えます。おきらくが子供の頃は、怪我をすれば蓬かアロエという事が結構ありました。
香りが大変良く、邪気除けにも使われていたそうです。
民間薬としても用いられ、煎じて飲めば婦人の病、腹痛、下痢、便秘、貧血,冷え性、神経痛、リウマチ、腰痛、食あたり等に効果があるとされています。
漢方薬の芎帰膠艾湯(キュウキキョウガイトウ)にも使われています。冷え性で出血傾向のある方の、痔出血や月経障害にともなう貧血がある場合などに用いられるそうです。
ところで蓬って
トリカブトに
似ているそうです。野草を摘みに行って間違えるととんでもない事になってしまいます。トリカブトは植物界最強の毒物であるアコニチンやメサコニチンを持っています。細胞活動を停止させる麻痺作用があるので、致死量を摂取すると心臓麻痺を起こすそうです。
それ程の毒なのですが、ヒトは薬として使ってしまうんですね。附子という名の生薬です。水分の代謝を盛んにし、体を温めます。高齢者に多く用いられる漢方薬「八味丸」にも使われています。
蓬とトリカブトの大きな違いは香りと白い毛です。蓬にはとても良い香りがありますが、トリカブトにはありません。蓬の葉の裏には綿毛のような白い毛が生えていますが、トリカブトには毛はありません。この2つさえ違いが分かれば、間違えてトリカブトを食べてしまう事はないと思いますが、生える場所も違うようです。蓬は日当たりの良い場所を好み、トリカブトは湿気のある木陰等に多いようです。でも混在する事もあるようなので、ご用心。
そろそろだよね!!
気候は暖かくなってきてるのに、冷えが強いなと思う事がありましたら、きゅうがお役に立てますよ。色々お手伝いさせて頂ける事もあると思いますので、是非お近くのはりきゅう(鍼灸)院におきらくにお問い合わせ下さい。
ちなみにおきらく極楽のすぐ近くの三嶋大社の売店では福太郎という名前の草餅を売っています。お近くにお越しの際はお試しあれ、美味しいですよ。
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