2019年11月26日(火)6:09 AM
前々回のブログで、
歯が悪くなると認知症発症リスクが高くなるという話題を書きましたが、先日の静岡新聞に歯周病とアルツハイマー型認知症の関係について記事がありました。その元ネタであろう
九州大学の発表によれば、アルツハイマー型認知症患者の脳内に歯周病原因菌の成分が見つかったとのことです。
折りたたむ
アルツハイマー型認知症には脳にアミロイドβ(以降Aβ)老人斑が見られるという特徴があります。Aβは神経細胞毒性を持っており、現時点ではアルツハイマー病の発症に深く関係しているとされています。歯周病原因菌により炎症が引き起こされるとそこにマクロファージ(白血球の一種)が集まってきます。九州大学の研究では、この際マクロファージがAβがを産生していることが分かったのです。歯周病患者の歯ぐきでAβが作られているという事です。まさに「
エッ!!」て感じです。
歯周病が進むと歯ぐきが腫れたり痛みがでますが、
多くは自覚症状がないまま進行が進むので早めの対処が肝腎です。歯を支える根っこの部分が壊されてしまう病気なので、放置すると歯が抜けてしまうからです。
歯周病の自覚症状には、朝起きた時口の中がネバネバする、歯を磨くと出血する、口臭が気になるなど色々あります。けれど、気にはしつつも受診しようとまではなかなか思えない軽いものなので、いつしか歯が抜けても老化現象だと思ってしまうことも多いようです。
内閣府が発表している
令和元年版高齢社会白書によると平成30年10月1日時点の65歳以上の人口が約3600万人。高齢化率の推移(左図:赤い折れ線グラフ)を見ると右肩上がりに増えています。その一方で働き手(15歳~64歳、左図:赤い網掛の棒グラフ)人口はどんどん減っています。
上のグラフはcode-0:健全、code-1:歯肉出血あり、code-2:歯石あり、code-3:4~6㎜の浅い歯周ポケットあり、code-4:6㎜以上の深い歯周ポケットあり、を意味しています。code-3が歯石とりや予防のための処置が必要な軽度の歯周病。code-4は歯周病が進行しており歯が抜けていく過程に入ってしまっており、集中的に治療が必要な状態を意味します。現状では高齢者の半数以上はcode-3以上、すなわち歯周病であることを表しています。現時点で高齢者の認知症患者数が約460万人。その約半数がアルツハイマー型認知症だそうです。歯周病患者の何割がアルツハイマー型認知症を発生するのか分かりませんが、しっかり歯と歯ぐきを手入れすることで少しでも認知症の発症を防げるのであれば、手入れしないという選択はないと思います。減少一方の若い人の負担にならず、最後の最後まで自分自身で生活したいので、歯も歯ぐきも大切にしたいと思います。
ホッカホカだよ
朝晩の冷え込みが更に強くなってきました。蜜柑が旬を迎えるこの時期いよいよ冬到来です。蜜柑は美味しくて、しかもビタミンCを多く含む優秀な食材ですが、食べ過ぎは体を冷やします。ホドホドが良いようです。そしてどうか温かくしてお過ごしください。
冬本番に向けて体調を整えておきたいという方は、色々とお手伝いさせて頂けることもあると思いますので、是非お近くの
はりきゅう(鍼灸)院に
おきらくにお問い合わせください。
この記事に関連するブログ
いい歯で美味しく-歯と体-
平穏死を希望します
認知症になったらどうしよう
歯はとても大事
この記事を書いた人
Koji Wakio(
おきらく)
おきらく極楽にて
鍼灸治療中。丙申年。
武術の稽古と豚カツが大好きです。
Satomi Nakano(
極楽)
おきらく極楽にて
鍼灸治療中。乙巳年。
神社と美味しいものが大好きです。
予約ご希望のお客様はこちら
静岡県三島市大宮町2-16-19
055-943-5547(ゼロゴーゴー キューシテミルナラ ココヨンナ)
« ロッキーでやる気 | 裏方さんと健康 »