2020年03月24日(火)6:20 AM
秋山周一郎、藤沢周平、遠藤周作に共通するのは何でしょう?見ての通り、名前に「周」の字が入っています。見えない共通点は沖田総司にも関係あります。
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それは結核にかかった人という事です。沖田総司は言わずと知れた江戸末期の天才剣士。秋山周一郎は天皇の料理番のお兄さんで、明治生まれ。藤沢周平と遠藤周作は大正生まれの小説家。江戸、明治、大正と並ぶと結核は昔の病気のように見えますが、実はそうでもありません。
昭和20年代まで結核は日本人の死亡原因の第1位でした。強い感染力と高い死亡率から「不治の病」と呼ばれていました。抗結核薬が開発されるまでは、転地療養くらいしか打つ手がありませんでしたが、下の「政府広報オンライン」に掲載されているグラフの通り、1950(昭和25)年より後は集団検診や抗結核薬の普及により死亡率は大幅に減少しました(昭和45年で左右の縦軸の目盛りが異なるのでご注意)。
しかし結核はいまだに終息していない病気です。日本では年間の新規発病者数がおよそ18,000人、死亡者数が1,900人という重大な感染症です。新型コロナウイルスによるこれまでの死亡者数の約50倍もの方が結核で亡くなっている深刻な状況です。
全世界では年間推定で、新規発病者数がおよそ1000万人、死亡者数がおよそ150万人もの規模でいまだに感染症での死因トップにいます。この結核を制圧すべく、世界保健機構(WHO)は3月24日を世界結核デーに制定しました。これはドイツの医師であり細菌学者であるロベルト・コッホが結核菌を発見した日(1882年3月24日)にちなんだものです。
結核は結核菌が肺の奥で増殖して発症する肺結核が殆どですが、肺以外の場所に感染して結核性胸膜炎、リンパ節結核、粟粒結核などを発症する事があります。
肺結核になると、咳、痰、発熱、寝汗、倦怠感など風邪のような症状が長く続きます。更に進むと血痰、喀血、呼吸困難などの症状が出てきます。
最近の傾向では70歳以上の高齢者が約6割を占めているそうです。初感染者の10%~15%が発症しますが、それ以外の感染者は発症しないまま結核菌が潜伏し、免疫力が衰えると結核が発症するためと考えられています。
ちなみに鳥取大学らの研究では、日本では
弥生時代に大陸から結核が伝来したそうですから、随分古くから悩まされた病気です。ここ20年間は40件前後の集団感染がありました。まだまだ警戒が必要な感染症です。
良く寝て、養生
結核の初期症状は風邪と良く似ているため気付きにくいですが、2週間以上症状が改善しないときは早めの受診をおすめします。
感染症の予防の基本は、できるだけ感染源に近づかない、手洗い・うがいなどでばい菌を洗い流す、ドアノブなど手が触れる所を消毒する、有効なワクチンがあれば予防接種する、そして何よりしっかり養生(睡眠、栄養、運動)して免疫力をアップする事が大切です。
抗生物質がなかった頃、足へのお灸で結核治療をした医師がいました。それを応用して、現代でも薬剤耐性のある結核にお灸を足す事で治療効率を高めている国があります。お灸による免疫力向上を期待しての事です。
養生の事なら色々お手伝いさせて頂ける事もあると思いますので、是非お近くの
はりきゅう(鍼灸)院に
おきらくにお問い合わせください。
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