足三里はすごいツボ~脚気、免疫、胃腸の調子~

足三里はすごいツボ~脚気、免疫、胃腸の調子~

2017年07月11日(火)7:39 AM
 来週くらいには梅雨が明けるのでしょうか?いよいよ夏本番!
 昔は汗をかくほどに食欲が落ちるタイプだったので、夏バテは毎度のことでした。今では夏太りしそうな勢いです(笑)
 
 夏は体の基礎代謝が落ちるといいますが、空調管理が発達したお蔭?で季節の影響が小さくなり、人によっては夏でも基礎代謝が落ちないそうです。自然の一部として生まれてきたのに、自然のリズムで暮らせないなんてちょっと悲しいです。空調の効いた部屋にいる分、意識して汗をかいたり旬をいただいたりと、季節感のある生活を心がけたいと思います。
 最近は夏バテならず常にお疲れの方が多いのは、屋内と屋外の差が大きくて、季節に体をあわせるのが難しくなったからかもしれません。たとえ過酷な状況でも適応できるのが体の持っている素晴らしい力なので、その力を存分に発揮するための養生をしていきたいものです。
 

足三里

 体にはツボと呼ばれる場所が365日分はありますが、有名なツボにはそれなりの訳があります。足三里というツボは、病気から養生まで重宝されたツボで、「四十以後の人、身にを加えて三里を焼かざれば、上気の事あり、必ずすべし」とは吉田兼好さんの徒然草、旅の前に三里にお灸をしたのは松尾芭蕉さん(おくのほそ道)、外郎売(ういろううり)など歌舞伎での三里灸、胴切りという落語は疲れ目に三里の灸など、昔からお馴染みです。 ※上気は頭に熱がこもることで、頭痛、目のかすみ、耳鳴り、脳卒中、のぼせやホットフラッシュのような症状をまとめた言い方です。
 脚気はビタミンB1不足で発症し、足のしびれやむくみ、心不全などにより死に至る病です。江戸わずらいとも呼ばれましたがもっと昔からあり、原因が分かったのは大正時代です。経験的に、お蕎麦(ビタミンB1含有)を食べるといいことが分かっていたそうです。
 実は、脚気にも足三里なのです。ビタミンB1不足が原因なのに、お灸で良くなるとは不思議です。足三里は、お腹の調子を整えることで体の様々な不調に対応できます。食べ過ぎにも足三里、食欲不振にも足三里、食中毒にも足三里、足の疲れにもこむら返りにも足三里、、、意訳すると胃腸本来の役割である栄養の吸収が適度になり、悪いものは即排出するため、体にとって栄養がちょうど良くなり、疲れや痙攣も解消する、ってところでしょうか。
 また、結核も足三里なのです。抗生物質がない時代、足三里による結核治療をした医師がいました。それを応用して、現代でも薬剤耐性のある結核にお灸を足すことで治療効率を高めている国があります。足三里、すごいです。
 
 暑いと冷たいものや水分の摂り過ぎで胃腸の調子を崩すこともありますが、そうなる前に足三里、毎日お灸はいかがでしょうか?足運びも軽くなるので、広い遊園地も元気に歩きまわれちゃいます。と、これだけ足三里をよいしょした後ですが、「○○の症状に○○のツボ」というのはありません。ただ、昔から良く使われているツボは効果の範囲が広いというか、健康というものの本質に働きかける力があるので、どなたにでもお勧めできます。
 でも、より自分にあった養生をお知りになりたい方は、お近くのはりきゅう(鍼灸)院でお手伝いできることがたくさんあるので、おきらくにお問い合わせください。

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この記事を書いた人

Koji Wakio(おきらく)
おきらく極楽にて鍼灸治療中。丙申年。
武術の稽古と豚カツが大好きです。
Satomi Nakano(極楽)
おきらく極楽にて鍼灸治療中。乙巳年。
神社と美味しいものが大好きです。
 

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