2020年02月25日(火)6:02 AM
暖かい日があったり、気温はそれほど低くはないのに風が強くてとても寒い日があったり、春を控えたこの時期はどうも調子が狂います。空気は冬ほどは乾燥していないものの、気候の目まぐるしい変化にお肌が乱れがちな方もおられるのではないでしょうか。それに加えて花粉もかなり飛び始めています。というかここ静岡では既に県全体で大量に飛んでいます。
お肌の調子が乱れやすい気候に加えて、大量に飛散する花粉とのダブルパンチです。
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お肌の調子と言えば、おきらく極楽に見える方の中でもアトピー性皮膚炎の方は結構いらっしゃいます。アトピー性皮膚炎は皮膚の表面を覆っている角質に異常があり、皮膚が乾燥してバリア機能が低下するために生じる強い痒みが特徴の症状です。繰り返し掻くことで皮膚の表面が傷み更にバリア機能が低下してしまいます。
7年前のブログで正常な皮膚はフィラグリンが刺激を防ぐと書きました。フィラグリンというのは皮膚のバリア機能に重要な役割を果たすタンパク質で、天然の保湿因子として働きます。アトピー性皮膚炎の方はそのフィラグリンの生成される量が少なく、バリア機能が低下するとの事です。遺伝子変異でこのフィラグリン生成量が減少するらしいのですが、京都大学の研究ではアトピー性皮膚炎の方は遺伝子変異があってもなくてもフィラグリンが少ないそうです。という事は、遺伝子変異以外にも原因が隠れていそうです。
環境・生活習慣・体質などの変化によるものでしょうか?医学は日々進歩していますが、アトピー性皮膚炎患者の数は増加傾向にあります(出典:厚生労働省
平成29年患者調査(傷病分類編))。平成29年度で51万3千人となっています。もっと研究が進むことを期待したいです。
因みに京都大学ではこのフィラグリンの生成量を増やすことができる化合物を発見しており、マウスでの効果を確認しています。アトピー性皮膚炎の治療が一歩進むと良いなぁ。
アトピー性皮膚炎の症状を緩和するための基本は保湿です。
アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2018には、汗の分泌障害が症状を悪化させるとの記載があります。また、汗には角層の脆弱性を回復する効果が期待できるとの記述もあります。更に「発汗を避ける指導が症状を改善したとするエビデンスはなく,発汗を避ける指導は必要ない.むしろ発汗後の汗対策指導を重視する.乏汗症例では汗をかけることが治療の到達目標の一つとなる.」とあります。
発汗後の痒みは、
こまめに洗い流したり優しくふき取るなど、お手入れを見直すことで避ける事ができます。これからだんだん汗をかきやすい気候になっていきます。無理なく体を動かしてしっかり汗をかいてみましょう。
因みに、東洋医学的にはお肌の乱れは消化器の弱りと考えます。健康診断では何も言われていないけれど、最近お腹の調子が悪いという方、色々お手伝いさせて頂けることもあると思いますので、是非お近くの
はりきゅう(鍼灸)院に
おきらくにお問い合わせください。
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