2020年03月03日(火)7:35 AM
肩、痛くないよ
五十肩を2019年のM-1グランプリ優勝コンビの漫才ネタ風に表現すると、こんな感じでしょうか?
「俺の知り合いがな、病気の名前忘れたらしいねん」「思い出すの手伝うたげるから、症状言うてみてよ」「そいつが言うには、肩が痛うてシャンプーでけへんゆうねん」「五十肩やがな。シャンプーと後ろ手が出けへんのは五十肩の特徴やで」「ちょっと分からへんねん」「何が分かれへんねん。ほかに何か言うてないの?」「病院行ったけど、原因はっきりせぇへんねん。」「絶対五十肩やん。原因ないのに肩痛むんは五十肩に決まりやがな」「俺もそう思たんやけどな、よう分からへんねん」・・・
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肩は凄く自由に動かせる分、複雑な構造をしています。傷めることが多いのが回旋筋腱板という部分です。ここに石灰が溜まったり、この部分が切れて強い痛みが出る事があります。上の漫才のようにあれでもない、これでもないと病気を外していって、はっきりした原因が見つからない時に五十肩(または肩関節周囲炎、癒着性関節包炎)と診断されます。
五十肩は50歳代を中心とした中年以降に良く見られる症状で、肩関節物の構造物の退行変性により発症するとされる、疼痛と可動域制限が生じる疾患 (「病気が見える⑪運動器・整形外科」より) で、日常生活に凄く支障が出てしまいます。でも、若い方でも似たような症状の方が結構来られます。
よくよく話を伺うと、使いすぎが原因の方が結構多いようです。ずっと同じ動作を繰り返していた方。あるいはずっと同じ姿勢でいた方、稼働範囲ギリギリで無理されていた方、偏った筋トレをされていた方など、いずれも気づかない内に疲労を溜め込んでおられたようです。
いずれにしても、体を使い過ぎたら緩めて、伸ばして、良く休めることが大事です。運動をした後クールダウンやストレッチでケアされる方がおられますが、仕事や日常生活で無理を重ねた時もしっかりケアしたいものです。
おきらく極楽では、最初にはりきゅう(鍼灸)で体が元々持っている治る力を元に戻す治療をします。それだけで無理を重ねてカチカチになった体はゆるんできます。とは言え、長期間にわたって無理を重ねた体はそう簡単には元通りにはなりません。そこでマッサージや運動療法を少し追加します。
そこで、肩の痛みの運動療法をご紹介します。
肩は凄く自由度が高い分、痛みの出る動きも複雑なことがありますが、治療の時は簡単な動作で痛みや動く角度をテストしてから運動療法を行います。やり方はいくつもありますが、中でも単純なテストを紹介します。このテストは椅子に座って行います。
- 両腕を体の横に垂らした位置から肘を伸ばしたまま真っすぐ前に挙げて行き、耳の横まで持って行きます。痛みが出たり、それ以上いけなくなったらテスト終了です。問題ない方の腕の挙がった位置が目標になります。
- 両腕を体の横に垂らした位置から肘を伸ばしたまま真っすぐ横に挙げて行きます。水平のところまで挙げたら手のひらを上に返して更に耳の横まで持って行きます。痛みが出たり、それ以上いけなくなったらテスト終了です。問題ない方の腕の挙がった位置が目標になります。
- 2.の動きが出来る場合は、一旦両腕を水平の所まで挙げ、肘を90度に曲げます。肘の位置は動かさずに手を頭の方向に回したり、足の方向に回します。痛みが出たり、それ以上いけなくなったらテスト終了です。問題ない方の腕の位置が目標になります。
この中の1.で出る痛みの運動療法を紹介します。運動療法は仰向けに寝て行います。
先ず、腕を前から真っすぐに耳の横の方向に動かし、痛みが出たり、それ以上は硬くて動かなくなる所で止めます。その後、楽に息をしながら5秒くらいかけて足の方に戻して行きます。5秒数えたら息をフーッと吐き出して、腕を下ろして5秒程休憩します。
この動きを4、5回繰り返します。そして、1.のテストをして動く範囲が少しでも良くなればこの方法で少しずつ痛みも動きも良くなって行きます。
他のテストも同じで、痛みの出る動き方が分かったら、痛みが出る位置から反対の方向に動かします。
運動療法してみたけれど、改善しないという方、色々お手伝いさせて頂けることもあると思いますので、是非お近くのはりきゅう(鍼灸)院におきらくにお問い合わせください。
肩の痛みは使い過ぎだけではなく、冷えでもおきることがあります。いずれにしても、痛みが出るということは体の治る力はそこまで落ちているということです。しっかり体を休め、美味しく食事し、ホドホドに体を動かすのが健康を維持するコツです。そしてたまに深呼吸をしたり大笑いするのが良いと思います。2019年M-1グランプリチャンピオンの本物のネタは大笑い請け合いです。「コーンフレーク 漫才」で検索すると直ぐに見つかります。
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