進化と病

進化と病

2019年07月16日(火)5:44 AM

果てしなき進化の果に

 およそ40億年前に生命が生まれて以来一体どれほどの突然変異を重ねてきたのでしょう?環境に不利な変異を起こした個体は生き残れず、環境に有利な変異を持った個体は子孫を残すことができる。数えきれない偶然を積み重ねた結果、今からおよそ20万年前に現在のヒトが生まれました。完璧な設計図を元に生まれたのではなく、40億年近い偶然の積み重ねの産物がヒトの体なんですね。
 
 月刊誌Newtonの7月号に「人が病気になる理由―「進化」から見た医学」というトピックがありました。進化の過程で人はどのような病気に掛かるようになっていったのでしょう?
 例えば風が吹いただけで飛び上がる程の痛みを感じる痛風。実はほとんどの哺乳類は尿酸を分解する酵素を持っていますが、ヒトはその酵素を作る遺伝子を失ってしまったために、尿酸が分解されず、その濃度が高くなると痛風が発症するのだそうです。
 その厄介ものの尿酸ですが、実は活性酸素を処理する抗酸化作用があります。突然変異で抗酸化作用を持つビタミンCを体内で生成できなくなってしまったヒトにはこの厄介ものが役に立ったのです。そのため尿酸分解酵素の遺伝子を持たないヒトが現在まで生き残っているというのです。
 痛風以外にも進化の結果として直立歩行するようになったヒトは、立ちくらみ、腰痛、痔、扁平足、難産など様々の症状に悩むことになった、と続きます。そして「多くの病気は、進化の観点からみれば一瞬ともいえる時間で急速に文明化した人間の生活が、かつて環境に適応したはずだった自分自身の体とミスマッチをおこすことで生じている。」と結ばれています。
 
 糖尿病、高血圧などの生活習慣病などはまさに文明病そのものです。またNHKスペシャル「病の起源」では、がん、脳卒中、うつ病、心臓病、睡眠時無呼吸症候群、アレルギー、読字障害なども進化の中でヒトが掛かる病気として紹介していました。
 
 であれば、現時点で私たちに出来ることは自然に沿って生きることだと思います。
 いつも満腹している現代と違って、ほんの数千年前まではいつでも食料が手に入った訳ではなく、むしろお腹が空いている時の方が多かったでしょう。
 また、食べるためには体を使って食料を調達する必要がありました。ソファーに寝そべってポテチを食べられる現代とは大違いです。男どもは獲物を追って何日間も歩き・走り続けなければならなかったかもしれません。女性たちはその間、遠くまで行って木の実や果物を集めたりしたのでしょう。
 夜はいつまでもスマホでYoutubeを見たりゲームをし、朝がつらい現代と違います。日が沈めばぐっすり眠り、日が昇れば食料調達に出かける生活をしていたと思います。
 これって、まさに養生(良い睡眠、腹八分の食事、適度な運動)ですよね。養生の事なら色々とお手伝いさせて頂けることもあると思います。是非お近くのはりきゅう(鍼灸)院におきらくにお問い合わせください。
 
 ちなみにここ3年程おきらくは朝昼2食、週に1日は1食の生活をしています。それで体は十分にもっています。むしろ快調だと思います。体重は多少の変動はあってもほぼ安定しています。おきらくとしてはもう少し体脂肪を減らして、筋肉量を増やしたいのですが・・・
 

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この記事を書いた人

Koji Wakio(おきらく)
おきらく極楽にて鍼灸治療中。丙申年。
武術の稽古と豚カツが大好きです。
Satomi Nakano(極楽)
おきらく極楽にて鍼灸治療中。乙巳年。
神社と美味しいものが大好きです。
 

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