お尻の筋肉としては、大・中・少殿筋の殿筋群、梨状筋、大腿筋膜張筋、上・下双子筋、内閉鎖筋、大腿方形筋、腸脛靭帯があります。中でも大殿筋は非常に大きく、哺乳類の中でも特別に大きく発達しています。
　お尻の筋肉の働きは、歩いたり、しゃがんだ状態から立ち上がったりする時の脚を後ろに蹴る動作や、起立する時の姿勢維持が主なものです。この起立して脚を後ろに蹴り出す動作が、ヒトの大きな特徴である直立二足歩行を可能にしているのです。

 

　お尻の筋肉が衰えると、立ち上がる時や座る時に膝に手をつかないと出来なくなったりします。歩いても直ぐに疲れるようになったりと不自由な事が多くなります。
　基礎代謝が下がるので太りやすい体質になってしまいますし、平静時も熱の産生が下がるので冷えやすくなってしまいます。
　歩幅が狭くなり、歩くのが遅くなるし、直ぐに疲れるようになったりと不自由な事が多くなります。
　骨格筋は余分な血糖がある場合は脂肪として蓄える役目もあるため、筋肉が減ると体に脂肪が溜まりやすくなってしまいます。
　なので、しっかり体を動かして、筋肉が痩せないようにする必要があります。

 

　また、筋肉からはホルモン様の働きをするマイオカインという物質が放出される事が分かって来ています。
　マイオカインの働きは多く、体に良い働きのものも、出来れば避けたい働きのものもあります。
　例えば体に良い働きとしては、筋肉の肥大、血糖値の安定、脂肪の燃焼、血管老化の抑制、大腸がんの抑制、記憶力や学習能力の向上に関わる海馬の発達、コラーゲン量の増加による肌のハリの向上等です。
　逆に加齢に伴って分泌されるマイオカイン(加齢性マイオカイン)は、サルコペニアやフレイルの原因となる筋肉の線維化を起こします。ただ、加齢性マイオカインは運動をする事で減少するそうなので、しっかりと筋肉を動かしたいものです。

 

　容量の多いお尻の筋肉を鍛える運動としては、ヒップリフト、バックキック等色々ありますが、筋トレのビッグ３の１つであるスクワットがおきらくのお勧めです。スクワットなら、お尻の筋肉だけではなく、脚、腹、背の筋肉もしっかり鍛える事が出来るからです。
　スクワットには色々なバリエーションがありますが、先ずは標準的なもので始めるのが良いと思います。
　おきらくのお勧めはスロースクワットです。4秒掛けてゆっくりと腰を下ろし、4秒掛けてゆっくりと腰を上げます。4秒が辛ければ、最初は1秒でも構いません。出来る人は10秒でも良いです。膝を曲げる角度は90°程度がお勧めですが、出来ない人はそれより浅くても先ずは出来る範囲で始めましょう。
　大事なのは、欲張って頑張りすぎない事です。出来る範囲で継続したいものです。そして、十分な睡眠と、旬のものを腹八分で美味しく頂いて養生を続けたいものです。

 

　運動はしたいのだけど、体が痛くてという方。色々とお手伝いさせて頂ける事もあると思いますので、是非お近くのはりきゅう(鍼灸)院におきらくにお問い合わせ下さい。体質にあった治療によって、健康な体になるお手伝いをさせて頂きます。
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