失語症も養生で予防

2024年04月23日（火）7:18 AM

　4月25日は失語症の日だそうです。脳卒中や頭部外傷などが原因で発症する失語症。
　損傷を受けた部位によって症状が異なります。ブローカ中枢が損傷すると、自分の考えを言葉や文字にする事が難しくなる運動性失語症。ウェルニッケ中枢が損傷すると、言葉を聞いて理解する事が難しくなり、流暢に話すけれど意味のある言葉が少なくなる感覚性失語症。そして、両方の中枢が損傷する場合には両方の症状が現れます。

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　4月15日に放送された「アンメット　ある脳外科医の日記」で、脳梗塞で救急搬送された患者さんの症例が出てきます。開始から7分辺りからです。目覚めた患者さんが最初に発する言葉が「あ～、あ～」。言葉が出て来ません。失語症と診断されます。開始から16分辺りの、作業療法士とリハビリしている場面。でも作業療法士の話している内容が意味不明な音の羅列に聞こえます。自分が同じ症状になったら、どれほど混乱する事でしょう。

　脳梗塞や脳出血等の脳卒中の後遺症には失語症や運動障害等があり、言語聴覚士や理学療法士・作業療法士等の指導でリハビリをする事で、徐々に機能を回復させて行きます。
　WHO（世界保健機関）の調査で、鍼灸が臨床に使われている疾患の一つに脳卒中後遺症があります。
　鍼灸は体が持っている治る力を取り戻す事を助けます。自律神経の状態を整え、筋肉の緊張を取り、体のバランスの偏りを戻し、血流が良くなる等、多くの効果があります。リハビリを受ける前に鍼灸で体を調整する事でリハビリの効果を高める事が出来るでしょう。また、リハビリで疲れた体の疲労を軽くし、質の良い睡眠を可能になるでしょう。

　そして、鍼灸をはじめとする東洋医学が得意にしているのは未病治です。未だ病ならざるを治すという事は、体が出しているシグナルから、症状が現れて病気になる前に予防するという事です。
　何だか疲れやすい、だるい、食欲がない、眠っても眠り足りない等、病院で検査しても異常なしと言われるような不調を、体が出している異常のサインと診て、健康な状態を取り戻し、維持するのが東洋医学の役目です。

　失語症の原因の9割は脳卒中だそうです。脳卒中を予防するためには鍼灸は非常に適していると思います。
　もちろん自分でも出来る事はあります。
　質の良い睡眠、旬の食材を腹八分に美味しく頂き、程よく体を動かす養生がそれです。
　体をしっかり使えばお腹も減るから食事も美味しく頂けるでしょうし、質の良い睡眠も取れるでしょう。
　1日に30分程度の速歩きなら出来そうです。晴れた日には是非散歩したいものです。